第1部では慶応義塾大学総合政策学部教授・警視庁長官官房付 小笠原和美教授に「助産師が知っておきたい性暴力の現状」をご講義いただきました。
初めに「一人でも一度でも多すぎる」「あなたが動かなければ何も変わらない」というキーワードが挙げられました。性犯罪・性暴力の被害・加害を一人でもなくすために、子どもの頃からの予防教育が必要であり、小学1年生までにはプライベートゾーンの知識を身に着けていることが大切であること、その教育に有効な教育絵本やその他の媒体、指導案などをご紹介いただきました。
参加者からも「具体的な対応や指導媒体などの紹介があった」「具体的に何をすべきかのイメージがついた」「子どもへの性暴力の防止のためにできることが明確になり、パワーをもらった」「まずは活動してみるということが本当に大事だと思った」等の感想を多くいただきました。
「あなたが動かなければ何も変わらない」というキーワードを念頭に置いて今後活動していきたいと参加者の多くが心動かされた、本当に実りあるご講義でした。
(右下:講師の小笠原和美教授)
第2部では「周産期の臨床推論」と称して東北大学 ウィメンズヘルス・周産期看護学分野 助教 武石陽子先生より臨床推論の概論をご講義いただきました。
第2部講師:武石陽子先生
次いで東北大学病院 母性看護学専門看護師 小寺由理先生、母乳育児相談室 まんまはうす院長 武者文子先生、とも子助産院院長 伊藤朋子先生より事例の紹介と解説をいただきました。
第2部講師:小寺由理先生
第2部講師:武者文子先生
事例は①助産院での分娩第一期の異常に傾いて行く過程での分娩管理②乳房痛で来院した方への乳房管理③特定妊婦の分娩からその後の支援の3事例で、参加者はその中の1事例についてグループワークを行いました。
その後、各先生より実際どのような管理・支援を行ったかをお話しいただきました。
第2部講師:伊藤朋子先生
研修の感想では「みんなで話し合うことで推論が進むことが経験できた」「具体的な事例を挙げていただき、考え方、ケアや支援、その後の経過までわかり勉強になりました」「各事例での推論の展開を色々考える機会になって良かった」等が上がっており、こちらも今後につなげられる実践的な内容の研修だったことがうかがえました。
最後になりましたが、お忙しい中ご講義とその準備などのお時間をいただきました小笠原和美教授、 武石陽子先生、小寺由理先生、武者文子先生、伊藤朋子先生に深く感謝を申し上げます。
(文責:小野直子)