教育講演 開催報告 教育委員 望月翔子
令和6年度一般社団法人宮城県助産師会通常総会 教育講演は、宮城県医師会館を会場に初のハイブリッド開催となりました。
日本助産師会 保健指導部会会長 とりこえ訪問看護ステーション管理者 安宅満美子先生より『やさしい助産ケアのための関係づくりと対応』についてご講義をいただきました。
助産師は仕事の内容の9割が話すこと、コミュニケーションと対人関係が大切な職業だと日々痛感しております。特にお産や母乳育児支援は対象者のよりプライベートな場所に触れる為、技術も大切ですがまずは関係性の構築、コミュニケーションが大切です。先生が講義の中で「アサーティブコミュニケーション」について、掘り下げて解説してくださった内容が特に印象に残っています。対象者へ何か伝えたい時には主語が『わたし(医療者)』になるように話すと否定的にならずに聞こえると知り、これは即実践できる内容だ
と思いました。(例;どうして検診を受けないの?→検診を受けないのは残念です。)
日々お母さん達と接する中で、どうしても正しい知識・情報を提供しなくてはと思う場面があります。そんな時、対象者が感じている胸の内が置き去りになってはいないか。今一度振り返る必要性があることを学びました。当たり前ですが、対象者が抱いた思いや感
情はその人のもので、医療者側が否定も肯定もする権利はないからです。正しい知識の前に、その人の気持ちに寄り添えるかがやさしい助産ケアに繋がる鍵なのだと思いました。
また、安宅先生が訪問看護ステーション管理者ということもあり、講義では訪問看護についても聞くことが出来ました。近年産後ケアとともに注目を集めている母子対象の訪問看護ですが、産後ケアだけではフォローしきれないケースの増加に伴い利用者数は増えて
きているそうです。精神疾患合併妊産婦、社会的ハイリスクを抱えた妊産婦は助産師の力だけではケアしきれない現状にあります。しかし多職種との連携のなかで誰よりも母子のそばにいる助産師が柱となることで、ケアの質が上がることを知ることが出来ました。
講義中、安宅先生が助産師の可能性について話して下さいました。助産師の仕事は「ゆりかごから墓場まで」とはよく耳にしますが、ネットや一般の方の声を聞くと浸透しきっていないようです。あらゆる社会問題に切り込み、解決に導くには助産師の存在は必須です。講義を聞き、私たちについて知ってもらう活動も必要であると改めて学びました。
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以下の研修は、終了しました。
令和6年度一般社団法人宮城県助産師会通常総会 教育講演のお知らせです。
今年は宮城県医師会館を会場にハイブリッド開催となります。
日時:2024年5月25日(土) 13:00~14:30
オンライン: 参加URLと資料は後日メール配信されます。
公益社団法人 日本助産師会とりこえ訪問看護ステーション管理者 安宅満美子先生をお迎えいたします。
『やさしい助産ケアのための 関係づくりと対応 』と題しまして、接遇をメインテーマに、関係機関や利用者、ご家族との関係づくりについて
先生の豊富なご経験から、具体的な支援の実際についてご講演いただきます。
<対象>
<参加費>